さて、色の最後を飾る緑についての考察を始めよう。抜けたカードの主だったリスト

早摘み、よりよい品物、マロー、自然の類似、回収、絹鎖の蜘蛛、新緑の女魔術師、ウッドエルフ

マジックにおける緑の役割は昔からマナとクリーチャーと決まっていた。緑のクリーチャーは他の色に比べて断然数が多く、しかもサイズが一回りも二回りも大きい。また、マジックの基本となるマナを生み出せるクリーチャーもほぼ緑に集中している。従って緑を中核に据えたデッキは必然的にクリーチャーデッキになるか、爆発的なマナを生産して強力なカードを使いまくるかの2通りになるのである。
また、8版から超優良システムの帰化が加わり、クリーチャー以外のパーマネント処理能力が白を抜いて全色中一番となった。これにより、クリーチャー戦術の後押しとして申し分ない強さを手に入れ、古来より末端的システムだったドローも次元の混乱以降に急激に増え、もはや弱点らしい弱点が見つからなくなっている程に緑は強力な色になった。
かつてはマジックは緑以外の4色で構成されていると言われていた時代がまるで嘘の様である。
そして今回抜けたカードは比較的コンボ要素の強いカード達である(早摘み、よりよい品物、自然の類似、回収、新緑の女魔術師)。私の記事を白から読んで頂いた方なら分かると思うのだが、やはり10版は色の特色を変えようとしているように見える。基本となるシステムにはあまり手を付けなかったのだが、それ以外の要素を緑から取っ払ってしまった。冒頭で書いて来た緑の要素がはっきり打ち出された様である。つまりこれからの緑はクリーチャー戦術以外はやるな、という事なのだろう。
優良なクリーチャーも消えた(絹鎖の蜘蛛、ウッドエルフ、マロー)。この3枚は私も多大にお世話になっていたので、消えるのがほんとに寂しいものだ。

では10版で緑は何を得たのか?主だった再録リスト

豊穣、極楽鳥、護民官の道探し、ハリケーン、社交の達人、猫族の戦士ミリー、踏み荒らし、はさみカブト虫、クウィリーオンのドライアド、喚起、ロウクス、暴走するヌー、森の占術、トロールの苦行者

いやはや、流石は緑。再録された強力なカードはほとんどクリーチャーだ。やはり10版は色毎の役割をはっきりさせた形を取ったんだな。
まずはマナクリーチャー(極楽鳥、護民官の道探し、社交の達人、)。今回基本セットに極楽鳥とラノワールのエルフがきっちり同居したために2ターン目に3マナの呪文をかけやすくなった。これは特に青にとって深刻な状況になったんだろう。なにしろ基本となる打ち消しが取り消しの3マナ。まるで打ち消しが間に合わない状況になるのは想像に難くない。よってこれからの青は海賊の魔除けが必須となりそうだ。
道探しはカードアドバンテージに貢献するマナクリーチャーだ。使い回せるシステムも同居したので価値は高い。
社交の達人は土地ブーストデッキで使えば色事故にはまるで苦労しないクリーチャー。サイズがウィニー寄りなので、その類いでも活躍が期待される。
次に強力なクリーチャー群(ミリー、ロウクス、ヌー、苦行者)。特に苦行者はコントロールデッキにとってまさに蘇った悪夢だ。ロクソドンの戦鎚を振り回しながら膨大な戦果を挙げて行くだろう。ヌーはお供が沢山いる環境では凄まじい働きをする。流石に永遠の証人は再録されなかったが、ざっと考えて見ても
?神秘の蛇……やらしいロック
?根の壁……まぁ基本
?スパイクの飼育係……赤に死ねと?
?デッドウッドのツリーフォーク……まるでthe rockだな(-.-;)
今の環境では可能性無限大だ。

後は最高のフィニッシュ技(踏み荒らし)。これでエルフデッキは必然的に完成された。無論ビートデッキでサイドボードにもよく積まれる事だろう。

最後に面白いカードかいくつか(豊穣、森の占術、喚起、クウィリーオンのドライアド)。今すぐの活躍は難しいかもしれないが、ローウェン導入後に賑わす可能性は否定出来ないぞ。

10版の緑は完璧に具現化された。今世界は何色が中心なのかは分からないが、近い将来に緑がその地位を獲得する事はかなりありえる。私も好きな色だけに期待している。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索